こんにちは。
日々色々な人の話を聞いたり、本を読んだりする中で、人間関係の機微について考えることが多いです。
特にカップルの関係って、本当に様々ですよね。
さて、皆さんはパートナーとの関係で、「性欲の強さ」について考えたことはありますか?
「私たち、ちょっと温度差があるかも…」なんて悩んだり、「長続きするカップルって、やっぱり『そこ』の相性もピッタリなのかな?」なんて疑問に思ったりすることもあるかもしれません。
そんな疑問に、一つのヒントをくれるかもしれない興味深い研究をご紹介します。
トロント大学などの研究チームが、「カップルの性欲の一致度と、関係の満足度」について調査しました。
一般的には、「お互いの性欲が同じくらい」なカップルの方が、きっと仲良しで、関係もうまくいっているんだろうな、と思いがちですよね。
研究チームも、まずはそこから出発しました。
「セックスはカップルの生活で大切な部分だけど、欲求のレベルは人それぞれ。やっぱり、似た者同士の方が幸せなのかな?」
と考えたわけです。
そこで、366組の異性愛カップルにご協力いただき、
- それぞれの性欲のレベル
- お付き合いに対する満足度
- そして性的な満足度
について詳しく調査しました。
専門的な分析方法(専門用語でいうと「dyadic response surface analysis」という、この手の調査では珍しく、より精密な分析ができる手法だそうです)を使って、かなり丁寧にデータを分析したとのこと。
個人的にもなんだか信頼できそうな印象を受けました。
さて、その結果なんですが…これが、ちょっと意外だったんです。
研究からわかったのは、主に次の2点でした。
ポイント① 性欲の一致は重要ではない
❌ 「性欲が似ているカップルが幸せ」という通説は証明されなかった
ポイント② 「二人とも高い」が重要
- 性欲レベルに差があっても、二人とも高ければ満足度が高い
- 一人が低く、一人が高い場合よりも、二人とも多少でも高い方が良い
具体例で考えてみると
✅ 「性欲のレベルが一致しているカップル=幸せ」とは限らない
例えば、次のようなパターンを比較したとき。
- Aカップル:どちらも性欲が中程度で一致している
- Bカップル:片方が性欲強め、もう片方はやや控えめ
- Cカップル:どちらも性欲がかなり高い
この中で最も「満足度」が高かったのは、Cカップル(どちらも性欲が高い)でした。
✅ 性欲レベルが“高い”カップルほど、関係や性に満足している傾向が強い
この結果が示しているのは、「性欲レベルの一致・不一致」ではなく、性欲の“質や活力”そのものが関係性の質に影響するということです。
たとえば
- Aさん(性欲高)× Bさん(性欲高) → 性的満足度も関係性も高め
- Aさん(性欲低)× Bさん(性欲低) → お互い穏やかだが性的満足度は低め
- Aさん(性欲高)× Bさん(性欲低) → ズレによって不満がたまりやすい
■ 専門家のまとめコメント:無理に合わせなくていい
研究チームは、「性欲の違いを合わせる努力」よりも、
🟡「どうすればお互いの性欲を再燃させられるか」
🟡「どうやって相手の気持ちを引き出せるか」
といった工夫や対話の姿勢が重要だと述べています。
■ 結論:性欲レベルは「同じ」より「高い」がカギ
✅ 「性欲が一致しているから幸せ」とは限らない
✅ 「お互いの性欲が高い」カップルほど、関係やセックスに満足している
✅ 性欲のズレがあっても、「どう向き合い、盛り上げていくか」が大事
ついつい私たちは、「相手と違う」という点に目が行きがちです。
- 「もっと私に合わせてほしい」
- 「どうして分かってくれないんだろう」
と悩んでしまう。
例えば、美味しいものを食べるのが大好きな二人だけど、好きな料理のジャンルは少し違う、なんてことがありますよね。
でも、「美味しいものを一緒に楽しみたい」という気持ちが強ければ、お互いのおすすめのお店に行ってみたり、新しい味に挑戦したりして、食卓は豊かになるはずです。
それと同じで、性欲の「レベル」が違ったとしても、
- 「二人で良い時間を過ごしたい」
- 「もっと繋がりたい」
という気持ちを育む努力をすることが、結果的に二人の幸せにつながるのかもしれません。
もちろん、性欲の問題はデリケートで、簡単なことではありません。
でも、もし今、パートナーとの「温度差」に悩んでいる方がいたら、「違い」を責める前に、「どうしたら、二人ともがもっと満たされる関係になれるかな?」と一緒に話し合ったり、新しい工夫を試してみたりするのも良いかもしれませんね。
大切なのは、違いを乗り越えて、二人でより良い関係を築こうとする、その「気持ち」そのものなのかもしれません。